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2006/11/02[院長コラム]根の治療は根本だ。その1
こんにちわ、いかがお過ごしですか?いよいよ秋も深まり紅葉前線も日光のいろは坂を下っているそうです。朝晩に肌寒く感じる日も多くなりました。風邪など引かれませぬ様お気お付けて下さい。
さて、前回までは「虫歯は治らない」と称して直すと治すの違いをお伝えしました。今回は「歯の根の治療」の話です。歯科の治療は目で直接確認出来る事から(実はほんの一部分だけですが)案外分かり易いように感じられたり、その事から治療自体簡単であるかのように思われている部分があります。それは患者様ご自身はもちろんの事、歯科医師させも時として錯覚してしまう程強い魔力を持っています。
その様な中で、ことさら誤解されているのが直接は目で確認出来にくい「歯の根の治療」や「歯周炎の治療」、「噛み合わせの治療」です。
「歯の根の治療」(以下 歯内療法)は俗に「神経の治療」と歯医者さんから説明を受けた方も多いかもしれません。いずれにせよ、虫歯菌に感染した歯の中にある歯髄組織(神経や血管を含む組織)やその周囲の感染歯質を取り去る事により歯髄組織の炎症(一般にはズキズキした痛みを伴う事が多い)や歯根周囲の炎症(歯肉が腫れたり膿んだりする)を鎮静、消退させる事を目的にしています。つまり、歯の中を色々なクスリや器具を使ってキレイにするのです。
ところが、この歯の中がやっかいなのです。言われれば当然なのですが、目で直接見る事が出来ません。なので、通常はレントゲンなどをたよりに手探りで治療する事になります。さらに問題はその治療の細かさや複雑さです。通常歯内療法は感染歯髄組織を取ったりキレイにするために歯髄組織の入っていた穴(一般に歯の中心にあり歯髄腔といわれる)に長さは約0.5mmの単位、太さは0.05mmの単位の細〜い器具を入れ治療しなければなりません。そして、歯髄腔は歯の中心にあると書きましたが歯の中心にドーンと、穴があいている訳ではなく、その穴は洞窟のようにクネクネと曲がりくねり迷路のように幾重にも分かれていたりするのです。
お口の中のほんの1センチにも満たない様な歯の中のクネクネ曲がった迷路洞窟に太さ0.05mmの器具を感を頼りに差し入れ深さ0.5mmの精度でキレイにしていく治療・・・・、こうして書いていると歯科医師の私でさえ気が遠くなりそうです。それが奥歯ならなおさらですね。
さて、そんな細かい治療を歯科医師はどう治療しているのでしょう。次回はその実態と近年の新たな方法をご紹介します。