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2008/06/26[院長コラム]歯科衛生士はどこへ?
就活の季節だそうです。つい昨年までは就職側の売り手市場だったのですが、サブプライムローン問題で世界経済が混迷、低調な来年の力関係はどうなのでしょうか?
ここ数年、歯科衛生士を育成する歯科衛生士専門学校は専門学校なのですが・・・、二年生から三年生へ移行しています。それは、歯科衛生士としう職種に社会が求めるものが広範囲に深く成っているためです。口腔の健康をサポートする歯科衛生士は、これからの高齢化社会を迎え、さらに口腔の健康が人生の充実に不可分だという認識の元にその役割の充実が社会からも国からも求められているため、その根拠により三年生への移行になっているのです。
しかしながら、そのような社会情勢を反映しない、逆行する状態が続き、加速している模様です。三年生になった、表向きは充実したカリキュラムを用意した衛生士専門学校は入学定員割れが多い様です。これは、どのような事でしょうか?
求めるもと、求まれるもののギャップがかなり大きく成ってしまっている事が、両者の悲劇以上に、歯科衛生士の力を幸福な人生に生かせるはずの国民の多大なる損失に繋がっているのです。
直裁に言えば、今、「歯科衛生士」という職業の社会的待遇(例えば給与)が低いのが原因です。おおままかに言って、欧米諸国より日本は歯科衛生士を含むコーデンタルの給与水準が低く平均2/3程度だと言われています。これは、彼女達(最近は男性も居ますが、)を雇用している私達の責任です。私達歯科医師が、患者様を含めスタッフに夢や希望やそして誇りを持てる仕事場を設定する責任があるのです。
何故?そうなってしまっているのでしょうか?志の低い歯科医師の責任と医療の自由度そして質、を選択出来ない馴れ合いの健康保険制度に寄りかかった厚労省と歯科医師団単位責任。そして、もっと悪いのはそのような社会的制度を背景に荒稼ぎして来た歯科大学の教育者たちです。まず、医療には哲学が無ければならないのです。お金がかかるとかではないのです。「本物の健康、そして美しさ。」これほど明確な哲学があるでしょうか?あなたは何を信じますか?