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2010/01/28[院長コラム]デフレとインプラント使い回し事件。  ブログ

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こんにちわ。
皆さんお元気ですか?
早いもので2010年も 1/12 が終わった事になりますね。こうやって知らず知らずのうちに歳を重ねていくのだな〜。と、しみじみ感じる今日この頃です。
今年は暖冬だなんて言われながら結構寒い日がありますよね、北国ではドカ雪が多いらしく地元の方々にはどちらにせよ困った事ですよね。丁度良いというのがなかなか難しいです。そもそも丁度良いという事はどういう事かな?と、考えたりします。
患者様の皆様も、自らに「丁度良い」歯科医院を探しているのではないでしょうか。「丁度良い」具合は、人夫々違うと思います。また一方では先入観とは異なり以外と『イイじゃない!』という事もあるかもしれません。し、逆もあるかもしれません。気軽に覗いたり試したり出来ればいいのですが、それが出来ないのが歯科医院での治療ですよね。
そんな折は、やはり様々な歯科医院のHPをじっくりと観て頂くのが良いと思います。また、近頃は当院にも「セカンドオピニオン」を希望されて来院される方が増えてきました。遠慮なく言って頂ければと存じます。
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当院の庭の桃の蜜をすうメジロ
かたや、多くの方が頼って信頼した情報が間違っていたり嘘だったりすると言う事もあるかもしれません。とても嫌な事件でありますが名古屋の近辺の歯科医院でインプラントの使い回しをしていたという事件があったそうです。その歯科医院はインプラントのみならず様々な問題があるようですが、何故?その様な歯科医院に多くの方がインプラント治療を希望され行かれたのでしょうか?聞くところによると多くの人は地元新聞の広告記事を見て治療を受けに行ったそうですが、その歯科医院ではインプラント治療を1本17万円ほどで施術していたそうです。当院を含めて一般的にインプラント治療は1本30万円〜50万円ほどではないでしょうか。17万円というのは破格の価格です。複数本の治療を受ければ更にその差額は大きくなるのでしょう。
治療を受ける患者様にとっては治療費用は確かに安い方が良いに決まっています。世間ではデフレ旋風が吹き荒れ、高収益をあげているのはユニクロやニトリなどの安売り(安売りダケが高収益の理由ではないと思いますが。)の販売店です。JRの秋葉原駅ではコンコースにやはり『インプラント治療 17万円』との広告がペイントされていました。でも、ちょっと待って下さい!インプラント1本17万円で全うな治療が出来ない事をこの事件は示しています。インプラント自体は1本3万円ほどかかります。さらにその上部構造と言う歯の頭の部分の技工料(テクニシャンに支払う費用)が4万円ほど、その他インプラントの頭に一時的に蓋をする部分などに2万円、インプラントを植える為に使うドリル等の消耗品や材料費、滅菌などの経費、手術器具などの設備投資などを考えるなら25万円を下回る治療費用には何かカラクリがあると思わなければいけません。
インプラント治療に限らず歯科治療は表には見えない部分が沢山あります。銀歯一つ入れる事に関しても、形どりの材料や模型の材質、それらを造る手間、そして銀歯をつくるという皆さんの知らない氣の遠くなる様な作業と手間。そして銀歯の質や合金の種類。調整の制度、装着時のセメントの種類。その治療を受ける患者様はその治療の一つ一つの質をコントロールはおろか吟味出来ません。
歯科治療には「安かろう良かろう。」はないのです。
健康保険が安いかどうかは別ですが、価格がその質に関わらず同一という事は結局同じドグマに陥ります。同じ治療費ならば医療側は悲しい事ですが、なるべくそのコストを押さえようするのは自然の流れなのです。それらを支持する訳ではありませんが、私どもの様な真面目に治療に手間ひまをかける歯科医療機関は時には赤字を覚悟で患者樣方への健康へ寄与しているのが現実なのです。
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リンゴをついばむツグミ
世の中はデフレです。安いものが消費者に受ける事は致し方ありません。かく言う私もユニクロの服を買います。が、朝日新聞の2009年12月21日付インタビュー記事において、服飾デザイナーの川久保玲氏はかく言われています。
「ジーンズ1本が何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しい」
私もこの意見に全く同感です。この意見には様々な反論もあるのは承知してます。しかしながら、きちんとしたもの、手間ひまかけたもの、手仕事、オーダーメードや誂えものは価格が高くてあたりまえなのです。
無論、それを支持するかしないかは消費者次第でしょう。価格にみあう満足感(手間ひまや手仕事やそれらの価値観に共鳴する自己実現を含めて。)がなければ支持されないのは当然です。ただ、人間として生活者として(消費者ではなく)生きる事を活かす営みには「いい物、本物」を認める価値観が必要であり、それがひるがって自分自身の幸せや健康に寄与すると言う社会構造を意図する事が今の世の中にこそ必要なのではと感じます。私を含めて「安ければいい。」のコインの裏側に「格差社会や派遣切り」があるのが今の市場原理なのですから。
高橋歯科医院の歯科医療は残念ながらインプラント1本からして決して安くはありません。でも、それでも当院でと言って下さる方々の期待と満足を裏切らぬ様、『本物の健康と、そして美しさ。』を提供しております。自らの身体に加える施術や医療は安い高いではないのです。本物かその他のもの。よくよくご判断頂きたいものです。そのうでの皆様自身にとっての「丁度よさ。」なのです。