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2011/01/01[院長コラム]新年明けましておめでとうございます。今年はどんな年に?
新年明けましておめでとうございます。
今年はどんな年になるのでしょうか?
[歯科界は?」
ご存知の様に、歯科医療の世界は直接生命維持に関わる部分が少なく、生活の質のに関わる部分が多い医療です。そして、もう一つの側面として修復・補綴(形態の回復)が中心で発展して来たという歴史があります。
今、歯科医療はその両面において大きなパラダイムシフトを求められています。まさに、今までの歯科医療概念の大転換を迫られていると言っても過言ではないのです。
まず、生命維持に関わる部分が少ないがゆえ、経済環境の影響を非常に受けやすいという土壌がもともとあります。一般的には、お財布にゆとりが無ければ「生活の質」を落とす事になってしまいます。ただでさえ、口腔への関心が低めの国民性なのにその傾向がより一層顕著になります。大方の歯科医療(歯科医業)は様々な経済活動同様に縮小傾向になるでしょう。
しかしながら、一方で経済環境が厳しければ厳しいほど「生活の質」を求める人たちのこだわりはマニアックになると言った一見逆の傾向が認められます。それらの要求を満たすために技術進歩と同調してより高度な設備などの投資(CT、マイクロスコープ、インプラント周辺機器、再生療法薬剤等、そしてそれらに伴う高度な研修)が必要になります。結果的に縮小傾向ならざる側面と高度化する側面との二極化が更に進みむでしょう。
その様な中、進歩した医療によって命を長らえ生かされる方々が増えています。そうした人々の中で介護の必要な方々の改めて「生活の質」が問われる。と、いう現象も生じているのです。今まで一見生命維持に直接関係ないと思われていた口腔内の状態が様々な生きるための活力(生活)として非常に重要である事が明らかになってきています。笑顔で美味しく楽しく口から食事をするという事は無論の事、誤嚥性肺炎の問題しかり、残存歯牙数と寝たきり度・医療費の問題しかりなのです。
この問題は、歯科医療の担う「生活の質」が実は生命維持にかなり深く関わっていると言う側面をあぶり出してくれていると同時に修復・補綴に代表される形態の回復もさることながら「機能」の問題が今まで考えられていた以上に重要だという事を新ためて提案しています。
今まで歯科医療の現場で「機能」が語られる場合は必ず、修復・補綴である「形態」の結果としての「機能」や評価としての機能でしかなかったのです。口腔の担う摂食/嚥下機能の問題は何らかの原因でそれらが障害された人々を対象としたマイナーな領域でしかありませんでした。しかしながら今、特別な事でなく口腔機能が障害された高齢者の多くが社会生活をつつがなく送れる世の中が求められています。
さらに、これがもっと重要かもしれませんが、一見何の問題も無い子供達の多くに摂食/嚥下機能の障害とも言うべき口腔機能の異常が認められる世の中になっているのです。
これは正しく由々しき問題であります。人間の生きる(活きる)時間の始めと終わりの部分に口腔機能の障害があるという事です。さらには近い将来、正常ならざる口腔機能の人間の老化と新たな二重の障害という事態が待っているのです。これらを是正し、人間が人間らしく一生をつつがなく生活(活力を持って生きる)できるようサポート出来るのは他でもなく「歯科医療」なのではないでしょうか?
「形態」に偏りすぎていた歯科医療の流れを大き変える必要があります。「機能」を声高に叫んでいるのではありません。「形態」と「機能」、いや「機能と形態」は表裏一体であり車の両輪なのです。「機能」を知り「形態」を極め「機能と形態の調和」を目指す歯科医療がこれから必要とされているのではないでしょうか。そして、それはただ単に口腔機能に留まらず「全身の健康」や「生きる活力」を生み出す事を評価されてこそ本物の歯科医療と言われる世の中になって行くのではないでしょうか?
今や、「歯科医療」は口腔内のみに目を奪われていてはなりません。口腔の健康がその人本来の全身や生きる活力にどのように反映されるかを診断し対応する能力が必要とされてくるのです。待った無しの医療現場でのこの状況は保守的な歯科学や歯科医学教育の現場を突き動かす力になり得るのでしょうか??その部分こそ、これからの私達の行く末を占うポイントの様な気がします。歴史的に歯科学やそれに伴う歯科医学教育は常に現場の要請や事体を踏まえて発展してきました。今回もそうである事を願っています。
きしくも時代は、少子超高齢化を迎え経済活動の永続的な低迷、大きくはエントロピーの減少を食い止める事無き時代に突入しています。歯科医療に限らず私達は哲学的根本に立ち返り「生き様」を変えて行く必要性に迫られているのです。
昨年末の11月3日に「生きがいを支える国民歯科会議」より日本歯科医師会へ下記の様な提言がありました。
ーこれまでの歯科医療は、歯科保険・医療の充実に乗用な役割を果たし、う蝕と歯周病という2大疾患の予防と治療、そして咀嚼機能の維持回復に目覚ましい成果をあげてきました。いま、我が国では、高齢社会の到来によって、診療所・病院完結型の「治す医療」とともに、地域コミュニティに支えられた「暮らしの中での医療」の重要性が増しています。そのような状況の中で、日本歯科医師会が、歯科医療の目的を<歯の治療>から<食べる幸せ>へと拡げ、〜中略〜まさに口腔ケアは、すべての世代にとってトータルなヘルスケアの入口です。
今後、歯科医療が「診療室で完結する」医療にとどまらず、「暮らしの中で、食生活を維持し、患者の生きがいを支える」医療へと発展していくことを望みます。そして、地域における全人的医療の一翼を担い、様々な職種と恊働し、新しい医療提供体制を創る先導的役割を担うことを願っています。=
http://www.jda.or.jp/conference/ikigai03_4.html
現場に出て行くという、発想もさることながら、全人的医療や「食べる」という機能に着目し「生きがいを支える」医療を最終目標にするこの提言は正に時代の潮流と言えましょう。
私達は新たな海に船出をしなければならないのです。
「高橋歯科医院は?」
新年ののっけから長文で大言壮語してしまいましたが、では当院は今年どのような海に船出するのでしょうか。
自我自賛ではありますが、私どもの掲げている目標「本物の健康をあなたに、そして美しく。」は全くブレておりませんし、時代の本流であり最先端であります。これからも、この旗印を掲げ診療室一丸となって皆様の健康に寄与し生きたいと考えております。さらに、コンパクトに、より積極的に機能への関わりや食生活をはじめとした「全人的医療」に邁進する所存です。これからの課題としては、機能の問題により一層積極的に取り組くんでまいります。
本年は以前コラムでも書きました様にスタッフの入れ替わりがございます。馴染みのスタッフが交代したり、顔を見ることが出来なくなったり、また不慣れな新スタッフと皆様には多少のご不安やご不便をおかけするかもしれません。しかしながら、歯科医院という場所事体も日々呼吸をしている生き物の様な気がします。新陳代謝が必要なのです。是非その辺りにご理解を頂きたいと存じます。
それゆえ、皆様方には高橋歯科医院の新たな息吹を感じて頂きながらさらに進化成長した高橋歯科医院での「本物の健康」を支える「炎症と力のリスクコントロール」治療を受けて頂ただければと思っております。
本年も宜しくお願い申し上げます。