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2013/10/31[院長コラム]学校歯科医
こんにちは
今年は10月なのに大型台風が押し寄せて来、多くの方が亡くなりまた被災されました。心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
と、その後はようやく秋空が暫く続いていますが、ついこの間まで猛暑だったのに秋は足早に過ぎ去り厳しい冬が待っているそうです。
11月は文化の日がありますが、文化的かどうかは別として私はこの10月17日に「学校歯科医功労賞」という表彰を受けました。地元の世田谷区立用賀中学校というこの地区では比較的大きな中学校で校医をつとめ始めて10年になります。私の以前は父である高橋静男が校医を長らく(おそらく、30年程?)務めておりました。父が校医を務めていた後半の10年程は私も同伴し学校歯科健診を毎年6月に手伝っていましたので、延べでは20年程地元の中学生のお口の健康育成に携わっていた事になります。 特に人様に自慢出来るような事をしている訳ではないのですが、継続するという事が重要であるという意味では、少しお褒めいただいたのかな?と感じています。
皆さんは「学校歯科医」と言うと、年一回の歯科検診の担当医のイメージかもしれませんが、実はその活動内容は様々で多岐にわたっています。全国的に様々に活躍され成果を上げらている学校歯科医がいらっしゃいます。けれど、それらの活動は学校歯科医が一人で出来る事ではなく、近くは養護教諭そして活動を支持・支援して下さる学校長。そして教職員、父兄、地元の方々の理解と協力が無くてはなし得ません。皆さんのご推察の通り、現代の中学生は実に多忙なのです。クラブ活動から進学に係る勉強、そして塾や習い事。分刻みの生活の中で、自分の健康ましてやお口の健康などに気が回る訳がありませんしそんな時間も無い訳です。そのような多忙な中学校生活の中で、虫歯の有る無しをチエックする検診だけでなく何を伝えられるのかが、実に問題なのです。
当然、中学校は毎年決まった時間枠をフルに利用し授業や行事のスケジュールを立てる訳ですが、その中に「お口の健康」のための時間を取るのは至難の業ですし、中学校側も容易には了承してくれません。
さて、唯一そして最大の学校歯科医のイベントとして「歯科検診」が一方であります。幸い、私の担当地区は各ご家庭の生活レベルが高い事が伺われます。そのためでしょう、当地区の中学生で虫歯だらけの子とか、歯茎が炎症で真っ赤なお子さんは極めて限られています。なので、疫学的には集団レベルでの問題は少ないと思われます。しかし、やはり100名中一人か二人位は「どうしてこんなお口に??」と、感じるお子さんが居ない訳ではありません。きちんと、中学校に通っているのですから「ネグレクト」とは言い過ぎでしょうけれど、個別対応として生活環境そのものから注意深く支援しなければならないお子さんも居る訳です。其の様なお子さんを見落とさないための検診という意義が一昔前の集団検診とは違うと思われます。
また、虫歯や歯茎の炎症である歯肉炎の問題は少ないのですが、噛み合わせや歯並びそして顎関節に問題があるお子さんはむしろ以前よりとても多くなって来ています。おそらく、日常生活の中での姿勢や態癖そして食生活が影響していると思われます。これは、とても由々しき事だと感じています。極端な話、虫歯や歯肉炎で死ぬ人は居ないでしょうけれども、噛み合わせや歯並び、そして顎関節症によって「生きる気力」を失う人は沢山いらっしゃいます。中学生の今だからこそ、それに気づきセルフマネーネジメントしてもらいたいものです。
先年、生徒さん達に「態癖 たいへき」についてのリーフレットをお配りしました。けれども、生徒さんたち自身やご家族にどれだけご理解頂けているのかはなはなだ心もとないのが実情です。是非、少しでも時間を頂き成長期の中学生にとっての姿勢・態癖・食生活の重要性を伝えたいと考えています。
・・・・・・。でも、「時間を下さい。」と、とっても言いづらいんですよね〜。
何か良い方法ないでしょうかね?皆さんのお知恵を拝借したいです。そう言った所で強気にブッチギレナイ所が私の欠点なんですよね。
今回はというお話でした。
お子さんの噛み合わせに関しては、そのうちにまた詳しく書きたいですね。