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2014/08/31[院長コラム]歯科医院の安心・安全 感染予防 クラスBオートクレーブ導入

こんにちは
九月もお彼岸を過ぎて少しずつ天候が安定してきた様です。
夏から九月にかけては猛暑に台風・局所的豪雨など様々に自然災害のニュースが毎日の様に流れていましたが、これらも地球温暖化のせいなのでしょうか?国政も歯科医療も取り組む優先順位を間違っている様な気がしますがいかがでしょうか。
さて、取り組む順序ですが医療現場での安心・安全・感染予防は最優先されなければならない事項の一つである事に皆さん異存はないはずです。しかし現実の話になると、どこまですれば安心で何処までが安全なのかはっきりしないのも事実ではないでしょうか。
レストランで皆さんが使われているスブーンやフォークはお口の中に入りますよね?歯医者さんのミラーやピンセットなどもお口の中に入ります。基本的には 同じなのですが、では何故レストランのスプーンはきれい(清潔もしくは消毒)レベルでよくて歯医者さんの器具は滅菌しなければいかないのでしょうか。
一方安心・安全・感染予防には実は科学的な裏付けがないとこう事を皆さんご存知だったでしょうか。冷静に考えれば当たり前なのですが、要は「こっちのグ ループは滅菌をした器具を使い、そっちのグループは滅菌しなかった器具を使った結果の感染率の違い」などという研究は人体実験になってしまうので出来ない 訳です。さらに、医療現場での感染予防には最近一つのルールがあります。それが1996年にCDC(米国疾病管理予防センター)で示された「スタンダード プリコーション」という考え方です。その考え方は、(どこまでやったら感染予防として確実なのか分からないのだから)感染症の有無にかかわらず全ての患者 さんの身体は感染の危険があるものとして予防策を実施すること。 と言うものです。
さらに、感染の予防においても段階が三つあります。最も感染の機会の高いクリティカルな領域、そして感染の機会が低いノンクリティカルな領域、さらにそ の両者の中間であるセミクリティカルな領域です。クリティカルな領域とは歯医者さんの現場で言えば、例えば体腔内に入ったり血液に触れる抜歯の時に使う器 具やメス、そして根の治療に使う器具などです。
ノンクリティカルな領域はお口の中に入らないもしくは表面にしか触らないもの。歯科治療用の椅子とかレントゲン撮影時のホルダーや口を広げるための口拡大鈎(こうかくこう)などです。
そして、問題なのがセミクリティカルな領域です。だいたい定義があいまいです。具体的にはいわゆる歯医者さんで患者さんのお口の中に入る器具が大体この クラスに分類されます。ミラーやピンセット、そして最近も話題になったハンドピース(歯を削る器具の本体、キィーンっていうあれです。苦笑)もこの分類に なります。
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さすがに、外科器具を滅菌していない歯医者さんは今は居ないと思います。ミラーやピンセットも厳密な滅菌までは求められている居るグループではないです が、おそらくどんな歯医者さんも現代は皆さん患者さんごとに滅菌していると思います。ただ、最近話題になったハンドピースと言う器具は1本が10万円ほど するのです。それを患者さんごとに滅菌するとすれば滅菌のサイクルにもよりますが、極端な話一日に来る患者さんの人数分を揃えなければならなくなるので す。とてもコストがかかるのです。なので、7割だか4割だかはしりませんが患者さんごとに交換し滅菌するのではなくセミクリティカルな器具として消毒レベ ルで済ませていた歯科医院が多かったと言う訳です。法律的に違法な訳ではなくさらに、科学的にも妥当性のある対応ではありますが、一旦あのようにゴシップ となると何を言っても言い訳になってしまいますし、患者さんの気持ちとして「本当に、消毒で大丈夫なの〜?」と言う心理も理解出来ます。
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ひるがえって、当院ではハンドピースも血液に触れる機会がゼロではないとの主旨から20年前から患者さんごとのハンドピースの交換・滅菌を行なってきま した。そして、出来うる機材の患者ごとの滅菌を施行しています。そして今回20年来使用してきたオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)が故障したのを機会に日 本の基準より滅菌に関して2クラス高いレベルの滅菌レベル欧州規格のクラスBオートクレーブを導入する事にしました。ぶっちゃけ、日本規格であれば20万 円程の機材が100万円の出費になりましたがこれも皆さんへの安心・安全・感染予防のためです。
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従来通り、いや!さらに心安らかに当院での治療を受けられて下さいね。
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