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2014/11/23[院長コラム]口腔がん検診 と 周術期
こんにちは
11月の後半になり、各地から紅葉の便りが届いています。今年も後一ヶ月・・・・早いですね〜。
今日は、私の所属する公益社団玉川歯科医師会で14年目になる「口腔がん検診」と最近注目されている「がん(全身の)の手術の前後の周術期における口腔ケア」のお話を少し。
あまり、ご存じないかもしれませんがお口の中にもガンができます。歯以外の部分には全てガンができる可能性があります。もっとも歯でも良性の腫瘍はある のですが。お口の中は常に様々な刺激にさらされている為何かのトリガーによって正常な組織がガン化するのです。よくあるのは舌にできる舌ガンや歯肉や粘膜 にできる扁平上皮癌です。お口の中にできるガンも他のガンと同じ様に初期の段階で手術や放射線療法等により対応出来れば決して死に至る病ではありません。
ただし、進行してしまうとたとえ命を取り留めたとしてもお顔に大きな傷や欠損が生じ、また手術で切除した組織の再建をしなければならないので見えるガン として生活の質が著しく損なわれる点が他の全身のガンと異なります。そう言った意味からも早期発見が望まれる所です。そのような事情から玉川歯科医師会は ご当地世田谷区と協力して「口腔がん検診」を実施しています。61歳、66歳、71歳の節目には区からお知らせが届き、最寄りの玉川歯科医師会に所属して いる歯科医院で700円で「がん検診」が受けられますし、それ以外の年齢の方も同額で検診を受ける事が出来ます。
検査はごく簡単なモノで、ブラシで口腔粘膜の表面を擦ってとれた細胞を日本大学松戸歯学部の病理学研究室に送り専門家に判定してもらうと言う仕組みで す。この方法で全てが分かる訳ではありませんが、もしご心配のある方ならファーストステップとしては簡便なスクリーニングであると言えます。是非ご利用下 さい。
口腔の初期のガンは口内炎に見えたり、小さなイボに見えたりとほとんど正常な組織との見分けがつきません。口内炎が直りにくいな〜とか、イボが少し大きくなったみたいと言う方が居れば是非一度近隣の玉川歯科医師会の会員の歯科医院をお訪ね下さい。
歯医者さんは沢山ありますが、歯科医師会に所属している歯医者さんはこういった場面でも地域の皆さんのお役に立つ様日々精進し研鑽している訳です。今更ですが、歯医者さんは何処でも同じじゃ!決してありませんよ!!
さて、今日は「ガン」に関連してもう一つ「周術期」の話題を取り上げたいと思います。
先にも述べた様にここで言う「周術期」とは「ガンの手術の術前・術後」を言います。では何故今歯医者さんんで「周術期」なのでしょうか?
介護の必要な方々の口腔ケアが誤嚥性肺炎や様々な合併症を予防し全身状態を良好に保つことに重要である事は最近だいぶ知られてきました。
「「いや?知らないよ・・・。」」っておっしゃってる貴方。またその事は折りに触れてお伝えしましょう。
それと同じ様に、ガンの手術の前にお口の中の感染源である虫歯や歯周病を治療したり口腔ケアをしてお口の中の細菌を減らしておく事が、ガンの手術の合併 症を低下させる事が静岡県立がんセンターの太田先生(残念ながら今年故人になられました)の功績で科学的に証明されたのです。手術の合併症を減らせれば当 然、治りも良くなる訳です。そして術後もお口の機能がしっかり保たれていれば栄養状態が速やかに良好になり回復が早まる事が分かっているのです。そして、 術後もガン治療は続きます。最近は外来で抗がん剤や放射線治療がなされます。と、すれば術後の口腔のケアと口腔機能の維持安定は患者さんがお住まいになっ ている近所の「かかりつけ歯科医」が受け持つ事になるのです。
十数年後には高齢者の3人に一人はガンと言う時代が統計的には来る事が分かっています。言い換えればその時、しっかりとした「かかりつけ歯科医」を持っているかどうかが命の予後にかかわると言う時代になるのです。
歯医者さんは何処でも同じじゃありません。きちんとした技量とホスピタリティーを持ち、社会的使命を担った地元(玉川)の歯科医師会に所属した歯科医院を是非「かかりつけ歯科医」としてご利用下さい。