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2015/10/01[院長コラム]金木犀の馨る秋
こんにちは
酷暑の夏も一段落、残暑の厳しい秋との予報でしたが、九月は台風や秋雨前線の大きな災害に見舞われた長月でした。
皆さんのお住まいの所はいかがですか。災害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
大雨や洪水そして地震・噴火・大津波など想定外の自然災害が頻発しています。そしてその度に100年に一度の洪水に備えるスーパー堤防だの、防波堤、等々 人工物で自然の脅威を押さえ込もうとする提案がなされます。勿論、長年にわたって耕して来た田畑が泥に埋まって言い訳ではありませんし住み慣れたマイホームが水浸しで改修不能状態を許容出来るものではありません。しかしながら、はたして私たち個人のレベルではなく人間の営みのレベレルで言えば、常にそう言った自然の脅威のなかで暮らしていると言う事を身体で感じ続けると言う事の方がはるかに重要なのではないでしょうか。
どの程度の堤防や防波堤が日常的に必要なのか分かりませんが、そうした話題が出るたびに違和感を覚えるのは私だけでしょうか。お前はは安全な所に住んでいるので他人事として其の様な事が言えるのだ。という批判も全くその通りだと感じます。
ただ、日本列島は決して隅々まで人間が安心して暮らせる土地ではない事をもっと動物的な部分でしっかり受け止め生きて行くと言う事を近代の私たちは忘れてしまっているのは確かではないでしょうか。
その一方で、近代化が押し進められたが故の様々な社会的な歪みも大きくなって来ています。福島原発の問題、沖縄県の基地の問題、そして貧困や格差の問題。それらの諸問題は近代ととても相性の良かった「資本主義」の問題と根っこが一緒でありましょう。今回の国連総会で国連はアジェンダ30を掲げ地球規模のあらゆる問題を広く取り上げ、その主要なテーマとして「持続可能な開発」を掲げました。国連が地球規模での広範なそして複雑な問題を取り扱わざる得なくなった事は大きな衝撃です。それはまた困難ではありますが善き第一歩と言えると思います。
しかしながら、その本質で「資本主義」「周辺と中心」を捨てない限りは問題の解決は難しと言わざる得ません。
人類の英知が実る事を祈っています。