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2025/04/06[院長コラム]社会化・個人にとって大切なことの変容
こんにちは
お花見をまだせずにおります。ちょうど時間が取れる曜日の天候が悪しくまた何かと気忙しい3月から4月の始まりを過ごしているため、歩いて10分ほどの地元に桜の名所があるにもかかわらずまだ花見をしていません。もしかしたらここ数日の冷たい雨で満開の時期が長くなり来週にそのタイミングがあるかもしれませんが。 それにしても、なぜ日本中ソメイヨシノなのでしょうか?満開や散り際、そして散った後の萼の紅色と若葉のコントラストなどソメイヨシノの美しさを否定するものではありませんが、日本中に広めるならばもっと美しい桜がいくらであると思うのですが。まあこの話題は色々調べてまたコラムに書く機会があればと思います。(その後、日曜日の束の間お花見した写真をアップしました。)
世間ではトランプ大統領の相互関税の発動で話題が持ちきりです。一挙に日本の株価も暴落しています。その中最近高校時代の友人らと数十年ぶりに集まる機会を持ちました。そこでの話題と気付きについて書きたいと思います。数十年ぶりの再会でしたので、昔話や消息の知れぬ同期生の話がひとしきり済んだ後、経済や選挙の話になりました。大学の同期生はあらたかお互いにどの様な主義主張や政治に対する姿勢など分かった上で付き合っていますので、お酒の席でもおおらかにその様な話はできるのですが、かつての友人とは言え高校時代ですからお互いにお酒の席で政治に関わる話ネタは微妙なではないかと初めのうち私はおっかなびっくりで参加していたと言うのが実態ですし、結果最後まであまり私は主張(いつもこのコラムで書いている様な内容)はしませんでした。4人があつまり各人異なるキャラクターであることは承知していたので私の様なリベラルな意見と対立したり違う意見が出るのは当然だと思いました。けでどもその中に一人KT君は芝居をやっていた関係で大学時代を通じての付き合いがあり当然反体制でリベラルな立場だと思っていたにもかかわらず、現政権を擁護しそれゆえに今の日本の繁栄があるとの見解だったのです。
私はとてもショックを受け戸惑いました。彼は国立大学を卒業し大手商社で働き終えたとても優秀な社会人です。何が彼を変えたのでしょうか?そして私はなぜ変わらないのでしょうか??しかし少し考えれば当たり前のことなのです。それは彼が優秀な社会人であるがゆえなのです。むしろかつての彼のスタンスを反体制でリベラルと捉えていたことが間違いだったのです。彼自身も言っている様にかつての彼の姿勢は高校時代(私たちの高校はそれこと少し名の知れた私立の進学校ですが当時は右翼的思想下で人権を踏み躙るひどい管理を行う高校でした。)の反動だっただけなのです。本来の彼は現実主義者であり、身近な人々を大切にする情熱を持った人間だったのです。その彼が家庭を持ち大手商社で働く様になれば当然現行の政治や社会システムを肯定しよりよくそれを利用する側に立つのは当たり前の理屈ではありませんか。
理念・理想では飯は食えないのです。現実に選挙に際してのアンケートでも最も関心のある話題は「景気・経済」ではなりませんか。彼の地アメリカ合衆国でトランプ氏を大統領に押し上げた人々もまた今までの「景気・経済」から落ちこぼれた人々でした。「理念や理想」を掲げがちな民主党は人々の生活を掬い上げ得ていないと判断されたのです。
一方で何故私は変わらないのか?第一にそれは社会的なポジションに恵まれているからでしょう。当然歯科医業も景気や経済に左右されますが会社組織の様な大きな変動は受けにくい安定した業種と言えます。そして個人営業なので組織にハマる必要もなく勝手気ままに出来ると言えなくもありません。(当然様々な軋轢はありますが)さらに私個人の核心としての「自由への希求、拘束や介入・暴力への生理的な嫌悪」と言うこともあると思います。無論喰うことは最重要です。まず生きるのこと、生き延びることの先にしか「理念や理想」は成り立ちません。命が脅かされず、食べ・飲むことに困らず、健やかに日常を送ることが最大の課題ですよね。しかしどこかおかしくはありませんか?わたしやあなたそして高校時代の友人たちは喰うに困っているわけではありません。けれども、こども食堂が数多く設立しなければならず、皆さんもコロナで経験したはずの命が脅かされるこの社会の仕組みはどうなんでしょうか?また大阪万博開幕を控え能登ではいまだに水道もままならない避難所ぐらしの命が脅かされ飲む食べるに困り健康な日常を送ることができない人たちが多くいる現状は?さらに世界に目を向ければ命を脅かされ続けているウクライナやガザの人々、餓えや感染症で亡くなる多くの乳幼児がいるのは何故なのでしょうか?
とかく目先や自分の周りの事が優先事項になるのは仕方のないことですが、ほんのちょっと先のことや離れたところに想像力を働かせたいと思います。この次の集いではそんな風に友人たちに伝えたいと思いました。