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2022/08/12[院長コラム]八月、お盆休みを迎えて
こんにちは
今日は8月12日。そろそろお盆休みに入って居る方も多いのではないでしょうか。当院も昨日から18日の木曜日まで一週間のお盆休みをいただいております。世間では物価の高騰、ウクライナでの戦況の膠着、酷暑・大雨の異常気象、そしてコロナウィルス第7波と色々な難しさの中、の生活が続いています。
これらの諸問題の現象の在りようは、「偏り」という言葉で表せないでしょうか。ふと気がついたのはニュースで「流域治水」の問題を取り上げてた際の水を溢れさせられる側の住民の言葉を聞いたおりでした。流域治水とは、「気候変動等による近年の降雨の激甚化により溢れさせないという河川整備では対応が限界に来ているため遊水池等を利用して水を計画的に横に広げて溢れさせ被害を抑えるという考え方です。」具体的には下流域の人口集密度の高い都市部を守るため中流域で計画的に水を溢れさせ流水量を調節するわけです。しかしこの計画では必ず意図的に川の水を被る土地の人たちがいることになります。先の住民の方はそのような方なわけです。その方は言っていました。「このところの大雨を経験するとそれもやむ得ないのかもしれない。しかし、下流の人たちのために我々は先祖代々守ってきた土地は泥水をかぶることになる。感謝しろとまでは言わないが、そう言った人たちがあっての自分達だということを分かっていてほしい。」との言葉でした。
このことは、今日本中でいや世界中で問題になって居ることと同じ構造ではないでしょうか。
原発の問題。結局電力を消費して居るのは東京をはじめとする都市部の人間活動です。その都市部での人間活動のために地方のそれも過疎化等進んで居る場所に交付金を餌に原発が次々と立地されて居るわけです。さらに、東日本大震災のおりには被災したがれき処理を汚染されて居るという理由で都市部の人たちは請け負うことに対して反対運動を起こしました。
沖縄の基地問題、日本の安全保障という国家的な問題のために日本国に占める面積が0.6%に過ぎない沖縄県にアメリカ軍専用施設の約75%以上が集中して居る。それ自体が「偏り」以外のなにものでも在りません。
異常気象やウクライナでの戦争やコロナ禍で新たに露呈したグローバル化の中でのサプライチェーンや食糧危機もまた世界規模での資本主義を旨とする「偏り」が原因でしょう。さらにはシステムとしての民主主義の危機が言われ社会の分断化もまた「偏り」の結果として理解できます。
ではそれらの解決には「偏らない」ことが必要なのでしょうか。解決の答えとして期待されたのが「インターネット」でした。「インターネットは一つだ。」世界を情報で等しく結びつけ均等化に寄与していました。ところが、ウクライナへのロシアの侵略でアメリカの大手通信会社2社にロシア国内のネットワークを切断したのです。研究者らの間ではこのようにインターネットの分断を「スプリンターネット」と呼ぶそうです。今回の遮断は大手とはいい2社に止まっていますが、当事国ロシア自身による西側インターネットの遮断もあり、このような亀裂が進むことによってグローバルを支えてきた現代社会自体の崩壊さえも予感させる事態になって居るそうです。通信網のブロックアウトがどれだけの影響を及ぼすかはつい先だって日本で起きたKDDIによる通信障害でも明らかです。携帯電話が繋がらなくなるどころではなく今や社会のあらゆるインフラがインターネットで繋がっておりその切断や亀裂は社会そのものを成り立たせなくなる恐れがあるのです。今後、一度細分化したフプリンターネットの増殖は止められないという見方や、今後権威主義的な国家、民主主義国家、そして巨大IT企業が牽制し合う3分割など様々な意見がなされて居るのです。
そもそも、インターネットは均一を世界にもたらしたでしょうか?逆に情報の偏在という状態が今の富の二極分化の原因だと言われています。どの様に技術が進歩してもどの様な国家や社会が出現しても「偏り」を是正するのは私たちの「思いやり」や「寄り添う力」などの「想像力」や「受容力」なのではないでしょうか?」