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2010/07/29[院長コラム]恐るべし!オルセー美術館。夏休みの一押し!!

こんにちわ
いや〜!暑いですね〜〜!!
猛暑ならぬ、酷暑です。元来私はエアコン嫌いの夏大好き人間なのですが、さすがにこの夏はエアコンを入れ締め切った窓からお天道様を仰ぎ見る毎日です。でも、そう言った体感は世界と薄皮を隔てて接している様で気持ちがよくないのです。なんだか、気が狂いそうに感じる時があります。皆さんはどうですか?
もっと直に大地の臭いや湿り気、大気の揺らぎや流れ。そして様々な音や肌触りを感じてこそそこに今自分の実存がある。と、言える様な気がするのです。その様な実存に飢えている様な気がします。なにげに生活しているとここ東京ではどんどん人間が「生活/生を活かす。」から、本来の在るから遠ざかってしまうようです。
そんな私ですが、久しぶりの雨模様の今日。妻と六本木の「国立新美術館」へ行ってきました。もともと、展覧会は好きなので、折りをみて出かけたりします。ついこの間は「東京芸術大学大学美術館」で開催されているシャガールを観て来ました。
シャガールは少しもの足らなかったのですが、いや〜!今日観た『オルセー美術館展2010 ポスト印象派』はすごかったです。久しぶりの感動もの。めくるめく名画に圧倒され、引き込まれ、打ちのめされ、息が詰まる思いで一巡して来ました。もっとも、一緒に行った妻は「え〜?そう?」でしたので、てっきり誰でも大なり小なり感動モノなのかと思いきやあくまで私の個人的な感想と言う事ですが(悲)。
わざわざ、フランスまで行かずに、こんな体験を出来るとはある意味いい時代に生まれたと思います。が、船で海を渡って憧れ地パリでこれらの名画を観たヒトは今の私以上の衝撃と感動に包まれていたのでしょうね。今は今として好しとしましょう。
さて、ここで、どの作品が一体良かったのか?とか。夫々の作品の何処に感動したのか??とかも色々と書きたいのですが。今日は私の絵画をはじめ美術作品や映画、アニメ、音楽などの何処に引かれるのかというお話を一寸したいのです。すべからくそう云ったものは所詮「好き。嫌い。興味無し。」の三分類でいいのですが。ボクの好きな作品はすべて「そこに有様を感じることが出来る。」が絶対条件なのです。
例えば風景画であればその場の大気の流れや(風)や臭い、温度、湿度。そして様々なさざめきが聞こえるモノこそが私の「好き。」です。タダ単なるキャンバス上の色彩の塊ではなく、セル画の連続ではなく、そこから立ち上がって迫って来る有様が無ければいけません。それはまぎれもなく単なる絵画かもしれませんが、実に今そこに在るのです。薄皮を隔てた感覚ではなく、絵画が私が相互に一体化し、私はその世界の直中に居る、その世界が在る。事を感じさせてくれるモノこそが唯一無二に私は「好き。」です。
無論、この条件だけに当てはまるモノのみを「好く」訳ではありません。音楽は少し脳や肉体の違う部分に訴えかけてきますし、絵画でも抽象画はまた異なったエネジーを私の脳みそのちょとはずれた部分に届けてくれます。
印象派もポスト印象派もいわゆる「リアリズム」ではありません。しかし、その有様のエネルギー、その物凄さは正しく私にとってはリアリズムであり、実存でありました。
(実存と言う言葉の定義に詳しい方、ごめんなさい。ハイディガーの実存とは違いますよね。)
人間は確かに実存しています。けれど、その実存は「その間に在る。」のであって、常にその存在を問い続ける(交流)事が必要になります。現代社会の窓越しの日差しを観る様なグロテスクな有様がまかり通る今、ひとつ、本物の絵画と交流を試みに、己の有様を確認しに「国立新美術館」オルセー美術館展へ行かれてはいかがでしょうか。