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2023/01/19[院長コラム]2023 年 これからどうする!
こんにちは
2023年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
コロナ禍の第八波の昨今、春にはインフルエンザ並みの第五類に指定変更することが検討中だとか。まだまだ感染者や感染者の増加で影響を受ける疾病を持たられ方々の入院処置問題、さらにコロナ が治った後の後遺症の問題といろいろな問題が山積していますが、とりあえずこれ以上の経済の停滞を避けるべく政府は舵を切ったようです。日常に戻るのは構いませんし大歓迎ですが、くれぐれもコロナ禍で疲弊し困窮した人々を切り捨てることのなきようにお願いしたいものです。
聞く耳を持つと自画自賛した岸田首相ですが、あの安倍氏さえ踏み込まなかった数字ばかり前のめりになっている防衛費の増額や敵基地攻撃能力などアメリカ軍との安全保障条約に新たに踏み込むなど閣議決定のみで丁寧な説明が必要と宣うだけで国民の意見を聞く気のない政策運営が続いています。アメリカの日本に対する政策決定意思は建国以来明確であり、常にアメリカ自身の利益のためのみである訳です。「自発的隷従の日米関係史」を著した松田武氏はこう述べています。
今、私の机上にはロックフェラー財団憲章の一部である「政府からの温情的な援助は、不屈な精神を蝕んで弱々しい人間を生み出すことになる」と、〜中略〜別の表現を借りれば、本来、「自由」とは、常に人に緊張をもたらすものである。それゆえに、自由をかけがえのない価値と考える人たちは、模索し、考え抜くことにより、今よりも一段と民度の高い成熟した人間に成長するのではないだろうか。
私は「自由」をかけがえのない価値と考える人間です。2023年、私は権力に抗い孤独に耐え常に模索し考え抜きたいと思います。
ちょうど1月に世界経済フォーラム「ダボス会議」がスイスで開かれました。様々なセッションがあるようです。「日本経済再生の道」セッションで西村経済産業省大臣が「日本は昭和のおじさんの国になってしまっており、もっと若者が活躍できる社会を作らねばならない。」風なことを述べていましたが、よくもまあ、いけしゃあしゃあと言えたもんだと思いました。関連して政府は異次元の少子化対策として1.経済支援2.サービス充実3.育休強化を上げているようですが、またバラマキ政策になりそうです。すべてにおいてそのような従来型の対策しか打ち出せない膠着した官僚や政治家自身が進退伺いをするべきなのではないでしょうか。その一方で老害でしかないような戦後昭和の時代の政治家集団である自民党を多くの若い世代が支持しているという事実にも驚かされます。
また、経済界はようやく重い腰を上げ、「人的投資の重要性や物価上昇分を補う以上の賃上げ」の声をあげていますが、その一方でさらなる雇用の流動化や規制緩和など多くの人々の平穏な生活から搾取する手を緩めるつもりはないようです。同じくダボス会議に参加している次期経済同友会代表幹事サントリーホールディングス新浪剛史社長は「日本はいまこそあるべき姿に向かって変化していかなくてはならず大きなチャンスだと考えるべきだ。」とおっしゃっていますが、肝心のあるべき姿とはどんな姿なのでしょうか?少子化が止まらず超高齢化社会になりパイが小さくなる日本、さらに国際的にももっと速く遠くにへの資本となるフロンティアが枯渇する中でのグローバリゼーション。目指すべきものを履き違えた昭和の大人たち発言が胸糞悪い今日この頃です。「この世界の問い方 普遍的な正義と資本主義の行方」の中で大澤真幸氏はこう語っています。
何十万、何百万もの人々が貧困化するのを座視することができないとすれば、日本政府はすぐに、追加的な支給を実施しなくてはならない。〜中略〜それは、一般に「ベーシックインカム(BI)」と呼ばれている政策に近づいていくだろう。〜中略〜それはどんなものなのか。もともとBIは無償の贈与であって、私的所有を前提にした資本主義にとっては異物である。資本主義という枠組みを捨てたとき、BIの実践に含意されていた本性が露わになる。〜中略〜BIそのものが、ユートピアなのではない。BIは、しかし、ユートピアへの小さな一歩ではある。〜中略〜BIは、二つのことを必要とする。ひとつは、資本主義的な生産関係である。もうひとつは、十分に強力な国家装置が存在しなくてはならない。人々から確実に税を徴収し、それを再分配するのは、国家だからだ。〜中略〜BIは、格差への対処策だが、そこで用いられている方法ーつまりレント(地代)ーは、、あさも今日の格差をもたらしたメカニズムと基本的に同じものである。〜中略〜富は、基本的にコモンズ(共有物)である。ここから、富(の一部)に関して、誰もが無条件に自分で取ることができるというアイデアが導かれる。BIは正当である、という感覚の根拠は、ここになる。このアイデア、つまり富は基本的にはー誰のものとも限定できないー普遍的なコモンズであるというアイデアから自然に引き出されるのは、コミュニズムである。〜中略〜そうだとすれば、BIは、ゴールでなく、コミュニズムへの長い道のりの通過点である。親切な奴隷主であることに満足してはならない。奴隷制度そのものを克服するところまで行かなくては・・・・・・。
誰かさんの言う「新しい資本主義」はしょせん奴隷制度の枠組みの中でのジタバタでしかないと言うことです。そうではない、正しく斎藤幸平氏の言うところのコミュニズムに立脚した脱資本主義こそが多くの地平線を切り開く叡智ではないだろうか。 ならば、ダボス会議という時代錯誤な集まりから新たな地平を見ることは叶いそうもありません。やはりここでも孤独に耐え、抗い、考え抜き、模索しそして行動する2023年になりそうです。
皆さんにとって良い一年でありますように。