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2020/10/11[院長コラム]心はどこにある? 

こんにちは

10月に入り季節が一気に進んだようです。

今日は台風に刺激された秋雨前線の肌寒い雨が一日中降っています。蝉の声が消え秋虫の合唱。彼岸花、金木犀に気づき秋の薔薇の蕾が待ち焦がれていたように膨らんできています。文具店や本屋では来年の手帳やカレンダーが並び始め、コロナに揺さぶられ続けた今年、そしてまだ行方の分からないアメリカ大統領選の行方や暗澹たる日本の政治・社会のあり様の来年が巷にいても意識せざる得ない季節の到来を告げています。

ここの所、コロナにまつわる話が続いてしまいました。今回はこれもコロナ関連かもしれませんが「心はどこにある?」を少し考えてみたいと思います。この問題は古くて新しい哲学的な命題かもしれません。一般に科学的には心とは脳であるということになるのかもしれませんが、古くから胸を叩いて心はここに!といったゼスチャーや様々な言葉によってまるで心が胸を中心とした体の中にあるかのように語られる事が多くあるように、身体・内臓が心を反映しているようなシグナルを発生したり心と密接に結びついた情動が様々な生体反応が原因であると同時に結果であることは既に多くの生理学的な見地から実証されています。

 

 

 

 

すなわち、心とは身体にあり内臓にあるという事も出来る訳です。

コロナ禍の中、私たちはステーィホームやソーシャルディスタンスなど様々な社会生活やコミュニケーションにおいて距離を要求されさらに隔離や隔たりを要求されるようになっています。会議はウェッブになり、対面においても顔の下半分をマスクで覆い、ビニールやアクリル板越しであったりします。さらには旅行はもちろんのこと外出・外食を控えざる得ない状況が一年近く続いています。そうしたことは私たちの心をどれだけ蝕んでいるのでしょうか。心が身体にあり内臓にあるのであればなおさらではないでしょうか。

 

ステーィホームやソーシャルディスタンスでたとえコロナから逃れられても命が永らえても身体や内臓に関わる感覚と断絶した新たな日常は人間のあるべき姿を著しく損なってはいないでしょうか。無論コロナ禍で生活に困窮し自殺者が増えてと思います。けれど、それら自殺者のうち少なからずは生活の困窮に追い打ちをかけるように心を蝕まれ自死を踏みとどまる余力やゆとりがなかったのではないかと案じています。そして、そのような余力やゆとりが無い人達は子供や老人そして様々な場面での社会的弱者なのです。特に心の臨界期を持つ子供たちが心配です。そうでなくとも近年スマートフォンとSNSの普及で身体感覚や内臓感覚から遠ざかり視覚優位になり脆弱は子供達です。感染予防も大切ですが、どうぞ身体と内臓を思いっきり使い心を健やかに保てるようにと願ってやみません。