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2020/04/12[院長コラム]4月  新型コロナウィルスと私たち

こんにちは

今年の桜は暖冬の影響で早くからほころびその後の寒さやなにやらで例年にない長いお花見の期間がありました。幸い当院の近隣には広々とした芝生と林のあちこちに幹回り1mほどの大きな桜(染井吉野からオオシマザクラや八重などバラエティーに富み)が多数あり今や都内でも有数の桜の名所として有名なきぬた(砧)公園があるので、私はウォーキングがてらにお花見三昧でしたが、皆さんは言うまでもなく新型コロナウィルスの影響で自粛そして緊急事態宣言の要請でままならなかったのではないでしょうか。

現時点で東京都の感染者数は毎日100名越えで拡大の止む気配は無く、早くも医療現場崩壊の悲鳴が聞こえ始めています。諸外国やニューヨークの例に比べれば毎日の感染者数の増大が百数十名というのは政府や政府の岡持ち専門家達が言うようにギリギリのところで爆発的な感性増加をしのいでいると言う印象ですが、そもそも検査数という母集団が違うので日本政府の発表数は情報操作されているという説もあります。少なくとも都や政府が言っているよりも数倍から10倍程度の数字の大きさが想定されます。

1日も早く新型コロナウィルスの感染拡大が終息でなく収束に向かうことを。そして皆様方のご健康を心より願っております。

さて、今回の感染症の世界的な蔓延や日本国政府の対応、さらには各国の民意や未来に関して様々な意見や提言がなされています。そのような中で、私なりの意見とこの感染症に鑑み歯科医療界のことを少しお伝えしたいと思います。

 

 

 

まず、多くの生物学者などの発言しているように人類はこれまでに様々なウィルスをはじめとする感染症と戦ってきましたが、それらに戦いに勝った事例は天然痘などのごく限られたケースしかありません。こと今回の新型コロナウィルスをはじめとするウィルスに関しては最終的にウィルスと宿主の人類とが折り合いどころを見つけて穏便に収束していくと言うのが自らだけでは生き続けられないウィルスと身体の一部をウィルスに貸し、水平的にそれらの遺伝子を取り入れ進化し続けてきた人間を含む動物側の筋書きです。なので厳密な意味で終息は無く穏便な収束を願うばかりです。

ロマンチックな方や想像力のたくましいエコロジストはこう言うでしょう。今回のウィルスは地球という身体が癌化している人間細胞を駆逐するために放った抗体だと。否定はしません。そう言った比喩もある側面を言い当てていると思います。人類はもっと謙虚になるべきです。地球に寄生している一生物だという事実を改めて考え身の程を知るべきだと思います。

世界的なパンデミックに関しては専門家ならずともグローバリセーションのなせる業であることは一目瞭然です。世界は今回の感染拡大を解決するために隔離政策を各々の国家で行なっています。人と物と情報が国境を超え瞬く間に世界中を行き交うグローバリゼーション。人モノと共に今回ウィルスが世界中にもれなく配布されました。さらに、世界中での感染とそれによる経済と生産・物流の停滞がサプライチェーを分断・停止し世界的な経済の混乱を招いています。これがグローバリゼーションの極みとしての孤立主義へのさらなる自国ファーストに向かうのか、グローバリゼーションの副産物に対してグローバルな新たな寛容な取り組みで解決するシステムを遅まきながら組み立てていけるのか?

私は現状のグローバリズムを良しとしている人間ではありません。むしろその点では保守的でさえあります。しかしながらこのグローバリズムが止めようがないのであれば、楽観的ではありませんがその延長上に新たなシステムを作るべく今こそ必死になるべきではないでしょうか。それともある部分ローカリゼーションを復活し、行き過ぎた市場原理や資本主義を補正・抑制し脱成長のあらたな経済システムを構築できるでしょうか。その時、アフリカ諸国や後逸の国々への支援などに先進国は身を削ることができるでしょうか。

 

さて、今回の感染症のこの事態に関して一段ミクロに俯瞰し我が日本国のことを考えましょう。安倍政権の対応は反響の大きかった「各家庭に二枚の布マスク」は言うに及ばずお粗末を通り越して国民をバカにしているとしか言いようがありません。言及すること自体が恥ずかしいほどの体たらくです。

今更です。私の言いたいのはそのことよりもこうした混沌とした事態のどさくに紛れて信用ならない嘘ばかりの虚飾まみれの安倍が何を企んでいるのかをしっかりと見極めて徹底的に対抗する必要があるということです。清志郎さんも言っていたように歴史が証明するように、天災の後には必ず戦争がつきものなのです。経済の混乱の後には必ず強権的な独裁政権が生まれるのです。さらに掛け声ばかりで硬直した我が身のみの保身や利益にこだわる人間が己が身の防衛と引き換えに国民を奈落の底へ引きずりこむ政策を繰り返すのです。すでに嘘で固められた安倍一派の動向を含め無能な政治家や取り巻きの忖度官僚を厳しく見極め断罪する必要があります。

また、今回の騒動の対策として在宅ワークなど今まで散々言われて来てはいたものの進まなかったシステムが行われたり子供達を安全・安心して預けられる組織の充実問題が露わになったり、実は不安定なインバウンドに頼りすぎていた狂騒的な経済効果とホテル等の過剰な投資の落ち込みと借財、オリッピックをはじめとする旧態依然とした利権でしかない箱物行政などなど、今まで覆い隠されていた問題が浮上したり露呈したりしています。騒動が収束して元の木阿弥にならずこれを機会にまた反省の機として新たな取り組みが進む事を願っております。

 

長々とお読みいただきありがとうございます。

最後に新型コロナウィルス感染症と歯科医療に関わることを書きたいと思います。本当はこれがこのコラムでは一番大事ですね。

まず言いたいのは、新型コロナウィルスをはじめとして口腔清掃(お口の中を綺麗にしておくこと)や鼻呼吸がウィルス感染に対して非常に有効だということです。

まず、ウィルスは単体では生き続けられないので人間の細胞に取り付き細胞内部に侵入して細胞内で増殖しなければなりません。お口の中にいる虫歯菌や歯周病を起こす細菌の出すプロテアーゼという酵素が人間の細胞に作用しウィルスが細胞に入りやすくしたり細胞内で増殖したウィルスが細胞外へ放出される際に細胞を溶かすノイラミターゼというを産生するためウィルスが人体の中で増殖するのを助けます。つまり、お口の中を清潔に保つことが体の中でウィルスを増やさない手立てなのです。

さらに鼻呼吸をしていれば鼻粘膜という天然のトラップでウィルスの侵入を防御できるかのせいが高いにも関わらず、もしマスクをしていても!口呼吸をしていればウィルスはダイレクトに吸気ともに肺まで届いてしまうわけです。マスクするよに何よりまずは天然の防御機構である鼻呼吸をするべきなのです。

世間では不要不急な歯科検診や治療は控えましょうとか歯科治療は感染リスクを増すようなフエィクニュースが一部で流れていますが、これは明らかな間違いです。まず先にも述べましたようにメインテナンスや定期検診なども、それこそウィルス感染を防ぐ可能性を高める。高めるですよ!対応なのです。

さらに、実は歯科治療現場は一般的な医療界を含めてもっとも感染症対策が徹底している現場なのです。それは専門用語でスタンダーダドプリコーションと呼ばれます。平たく言えば全ての方が何らかの感染症を持っているという前提で全ての治療を対応するというものです。逆に言えば歯科治療は施術者の感染のリスクが非常に高い治療現場なのです。思い返してください。当院に限らずあなたの主治医は使い捨てのマスク、グローブやゴーグルなどを必ずしていましたよね?歯石を取る歯科衛生士も?隣でバキュームを握る歯科助手も?? でしょ〜! 一方あなたの通うお医者さんは?看護婦さんは????していませんよね〜。

歯科治療は唾液や血液などに触れる機会の多い基本外科系の診療なのです。何気無く皆さんの座っている治療椅子(ユニット・チェアー)は外科の手術室なのです。あなたの見ていないところで患者さん毎ごとに間接的に体の触れるところは消毒をし口の中に触れる部分は滅菌していますよ。

残念ながら、そのような高いレベルの感染予防をしながらそのコストやリスクは多くの方々に理解されていないのが実情です。そのコストゆえ一時話題になったように一部の歯科医療機関ではハンドピースという歯を削る器具の滅菌はせず消毒レベルで済ませていたという事情もあります。無論、コストがかかるからと言って人の身体と直接触れ口の中へ差し入れられる器具を消毒レベルでいいとは言えません。しかし、滅菌するには一本一本のハンドピースで1時間以上の手間と時間がかかりそれゆえ滅菌するとなれば一本十数万円するハンドピースを1日の患者さんのおおよそ半数分とか揃えるコスト、さらには滅菌するとハンドピース自体の劣化も早まるため再購入のコストそういった事に厚労省は勿論ですが、国民の皆さんにもよりよくご理解いただきたいと思うのです。

当院は今のように滅菌の概念がきちんとしていなかった20数年前より患者様一人に一本のハンドピースを備え、さらに多くの器具を滅菌パックにて確実に滅菌・保管したものを使用していました。いわゆるスタダードプリコーションを行なったいます。なので皆様方には安心して受診していただける自信があります。また以前より口腔ケアの実施や鼻呼吸の普及に務めております。

が、東京で感染が蔓延しており緊急事態宣言が発令されているこの時期、診療をしている限りはいつ何時無症状の方が患者さんとしてお見えになるかもしれません。また、一部のスタッフは通勤列車を使用しております。御用聞き専門家たちは通勤列車の感染リスクについて語りませんが、どう考えてもかなりのリスクです。通勤している当院のスタッフもいつ何時感染するかもしれません。  など  などの 事を考慮し  この4月18日より5月7日まで休診にすることといたしました。

何卒、ご不便をおかけしますがご容赦のほど願います。

重ねて申し上げます。 一刻も早い新型コロナウィルス感染の収束と皆様方の健康。そしてそれらにまつわる世界混乱がおさまり安寧な世が地球規模で戻ってきますよう。そして、新たな人類の英知を感じられる世界が来ますよう心より願っております。

 

高橋歯科醫院 院長 高橋泰樹