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2014/06/26[トピックス]ユマニチュード
認知症ケアの新技法「ユマニチュード」入門書 本田美和子医師に聞く
熊本日日新聞 2014年6月17日(火) 配信
認知症ケアの新しい技法として注目が集まっている「ユマニチュード」の入門書が15日、刊行される。出版の意義などについて、共著者で国立病院機構東京医療センターの本田美和子医師に聞いた。
「劇的な効果が出る場合もあって、しばしば”魔法”といわれる。でも実は、誰でも学べて実践できる”技術”なんです。その基本的な部分をまずはお伝えしたかった」。本田医師は出版の動機をこう話す。
目をきちんと見て、優しく触れ、話し掛ける―。ユマニチュードはフランス人のイヴ・ジネストさんらが開発し体系化した実践技術で、人間性を尊重し患者が持つ力を正しく評価しながら、よりよいケアを目指す。
顔の正面から水平に近づいて長く見つめたり、優しく腕を下から支えたり、人間としての尊厳を大事にすることで、患者とのコミュニケーションを円滑にさせる。本書は、その基本を初心者向けに、詳しく解説している。
フランスでこの技法を学んだ本田医師が約2年前、日本に紹介した。現在、国内に本田医師をはじめ8人のインストラクターがいる。
ジネストさんらのケアによって、歩行が困難とされていた患者が短期間で立てるようになる様子がNHKの番組で紹介され、大きな反響を呼んだ。以降、定期的に開催している研修会には参加希望が殺到し、応じきれないほどに。入門書の出版には、こうした現場で苦悩している人々に役立ててもらう狙いもある。
「血圧を測るとき、腕をつかまれても何とも思わない。でも街中で腕を急につかまれるとびっくりしますよね」。本田医師は、ケアを拒絶する認知症患者の気持ちをこう例える。
認知機能が落ちた人は、話し掛けても反応がない場合がある。すると、介護のプロでさえも、私たちが当たり前にしているコミュニケーションを省略してしまいがちになるという。視線を合わせず衣服を着せたり、風呂に入れるために声を掛けず急に腕をつかんだりすれば、患者によっては抵抗しようとする。だが相手の立場になってみれば、その抵抗はただの”防御”かもしれない。
「魔法ではないので、うまくいかないこともある」と本田医師。「ただ、どんなに難しい患者さんでも何らかの変化があるはず。家庭介護の方にも役立ててほしい」としている。
「ユマニチュード入門」は医学書院刊、2160円。DVD「ユマニチュード 優しさを伝えるケア技術」(4320円)も同時に発売。