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2014/10/16[トピックス]赤ちゃんは おっぱいを飲んで脂肪を燃やしている
おっぱい飲んで脂肪燃やす
東京医歯大、機能発達の仕組みを発見
2014年10月14日 化学工業日報 カテゴリ: 一般内科疾患・内分泌・代謝疾患・小児科疾患
東京医科歯科大学は、母乳によって脂肪の燃焼機能が発達する仕組みを発見した。脂肪燃焼を促す分子の働きを見いだした。胎児・乳児期の栄養状態が生活習慣病のかかりやすさに関連していることから、これを手がかりに成人期の疾患リスクを下げる「先制医療」の促進につながることが期待される。
同大大学院の小川佳宏教授らの研究グループが、筑波大学、東北大学、群馬大学との共同研究で発見した。それによると、マウスの実験で、乳仔期後半までの肝臓では、脂肪燃焼に関わる多くの遺伝子が、デオキシリボ核酸(DNA)脱メチル化と呼ばれる遺伝子の働きを増加させる仕組みの発現により脂肪燃焼が活性化されることが分かった。人の胎児と成人の肝臓でも同様の結果を確認した。
その際、DNA脱メチル化された脂肪燃焼に関係するすべての遺伝子の働きは、脂質センサー分子であるPPARαという核内受容体によって増加するという。母乳中に豊富に含まれる脂質が肝臓のPPARαを活性化して関連遺伝子のDNA脱メチル化を引き起こし、脂肪燃焼を促す仕組み。
胎児期から乳児期の栄養状態が何らかの仕組みで記憶され、生活習慣病の罹患に関連すると考えられているが、その仕組みはこれまで全く不明だった。今回の発見で、乳児期の栄養状態が関連遺伝子のDNAメチル化として記憶されている可能性が示唆され、乳児期の栄養状態による脂肪燃焼の発達の仕組みの解明につながると期待される。母乳や人工乳の脂質組成の検討を通じ、母親の栄養管理法や人工乳の開発につながるとみられる。また乳児期の栄養状態に介入する先制医療への貢献も考えられそう。
2014年10月14日 化学工業日報